宣隊レポート

デザインに関わること

プロがよく使うデザイン用語集

デザイナー・ディレクターにデザイン専門用語を使われ、「何を言っているのかわからない!」と思ったことはありませんか?
カタカナ語を使われると何となく凄そうな感じがするし、いちいち意味を聞き返すのも恥ずかしい…
今回は、そんな時に役に立つデザイン用語を実際の作業工程に沿ってご紹介いたします。


目次
ヒヤリング編
デザイン制作編
修正編
まとめ

ヒヤリング編

制作に入る前に、ご依頼いただく制作物のサイズやターゲット層など、イメージされているデザインについてヒアリングを行います。

【アイキャッチ】
目を惹きつけるもの。
インパクトのあるタイトルや画像を目立つ箇所に配する事が多いです。

【アイコン】
内容をシンボル化したマークのこと。
見ただけで直観的に内容がわかる効果があります。スマホに表示されているアプリのマークもアイコンです。

【アタリ】
デザインする際に、一時的に使用する仮の画像やイラスト、文字のこと。
後でちゃんとしたデザインやデータを配置するまでのスペースを確保する場合などに使用します。

【カンプ(デザインカンプ)】
comprehensive layoutの略で「完成見本」をプリントアウトした資料のこと。
クライアント様とのやり取りで使用します。

【キービジュアル】
一連の制作物のメインとなるデザインのこと。
伝えたいことが一目で伝わるように、ロゴやシンボルマーク、イメージフォト、キャッチコピーなどを組み合わせて作られています。メインビジュアルと言う人もいます。

【コーポレートアイデンティティ(CI)】
企業の特徴や個性をアピールする戦略のこと。
ロゴ、ビジュアル、カラーなどの要素を統一し、一貫性のあるデザインで表現することで、企業や団体のブランド価値を高めます。

【コンセプト】
企画・広告などで、全体を貫く基本的な観点・考え方のこと。
デザインにおいて最初にしっかりとコンセプトを決める事がとても大事です。

【サムネイル(サムネ)】
デザインのアイデア出しに手書きしたスケッチのこと。
仕上がりサイズに関係なく思い浮かんだアイデアやイメージを小さな紙に手書きすることから
親指の爪」という意味でサムネイルと言われています。

【シズル(シズル感)】
元々は「ステーキなどを焼く時のジュージューいう音」を表す英語が起源で、瑞々しさや新鮮さ、鮮やかさ等ユーザーの購入意欲を刺激する表現を指します。

【ペラ】
1枚の用紙で出来ている印刷物のこと。
ポスターやチラシ、リーフレットが当てはまります。端物と言うこともあります。

【ラフ】
デザインの下書きのこと。
ラフには「大まかな」という意味があり、大まかな方向性を決める時などに使います。
サムネイルより最終デザインに近いイメージです。

【ロゴ】
シンボルマーク、ロゴタイプ、ロゴマークの総称のこと。

シンボルマーク:企業や商品、サービスなどの特徴や背景、理念などを図案化し、それらの象徴としてデザインしたもの。

  ロゴタイプ:企業や商品、サービスなどの名称となる文字列を、その特徴や背景、理念などに相応しい意匠を施しデザインしたもの。

  ロゴマーク:シンボルマークとロゴタイプを組み合わせたもの。単に「ロゴ」と言うと、これら全てを指すことになるので注意が必要です。

【レイアウト】
デザインの割り付けのこと。
仕上がりの形を想定し、文字やイラスト・写真などを情報伝達の目的に従って効果的に美しく配置していきます。

【ワイヤーフレーム】
Webサイトのレイアウトをおおまかに書き出したもの。
どこに画像やテキストを配置するか、バナーをどこに置くかなどが記されます。
クライアント様に具体的なイメージを持ってもらい、より踏み込んだ要望を出してもらうために作成します。

デザイン制作編

いよいよヒヤリングした内容を元に制作していきます。

【アウトライン化】
デジタルデータで作成したフォント(文字情報)をパス(図形情報)へと変換すること。
デザインには多数のフォントが使われますが、端末によっては文字化けしたり、文字を読み込めないことがあります。そうしたことを防ぐため、文字を完全に「そのような形の図形」へと変換します。
しかし、一度アウトライン化してしまうと次回から編集が難しくなるため、アウトライン済みのデータとアウトライン前のデータの両方を保管しています。

【あしらい】
デザインにおいて情報に「装飾」すること。
文字に線を引いたり、囲ったり、強調したり情報を少し目立たせることで、メリハリが生まれ、より情報をわかりやすく伝え、全体のデザイン性を上げることができます。
ただし、やり過ぎると伝えたい内容が分かりづらくなるので注意が必要です。

【アミ】
薄い色の塗りつぶしのこと。
印刷物は基本的にCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、キーカラー(黒))の4色のインキを使い、それぞれの小さな色の点の集合で表現します。その点のことを「アミ点(アミ)」と呼びます。
色が薄いほどドットの密度が低く、濃度が100%になるとドット状ではなく色面になり(ベタ)、ドットが存在している濃度0%〜99%の状態がアミとなります。

【解像度】
画像の密度を表すデータ画質の単位(dpi)のこと。
画像を表現する格子の細かさの値が高いとより自然な仕上がりになります。
印刷物では300〜360dpi、WEBサイトでは72dpiが最適な画像解像度です。

【拡張子】
ファイル名の末尾に付く「.」(ピリオド)から始まる数文字の英数字のこと。
拡張子とは、ファイルの種類を区別、保存するためにファイル名の末尾に通常2〜4文字の英数字が使われる形式のことです。
この拡張子とファイルの内容が一致しないと、作業に問題が発生する場合があるので注意が必要です。

【画像形式】
画像ファイルの保存形式のこと。
代表的な画像のファイル形式は、JPEG、PNG、GIF、TIFFなどがあります。
印刷物には、TIFFPSD、WEBサイトにはPNGがおすすめです。

【カーニング】
文字と文字のスペースを調整すること。
そのまま文字を入力すると字と余白の間隔にバラツキが出てしまうため、デザイナーは文章が読みやすく、美しくなるように必ず文字間の余白を細かく調整します。

【切り抜き】
写真内の被写体と背景との境界線に沿って切り抜く作業のこと。
トリミングに似ていますが、写真内の余白や余分な部分をなくし、必要とする部分を抽出する作業なので同じ意味ではありません。

【キャプション】
写真・図・イラスト・画像に添える短い説明文のこと。

【グリッド】
デザインする画面を水平線と垂直線で分断し、格子状・方眼状の線を組み合わせたもの。
このグリッドをベースにデザインを検討していくデザイン手法を「グリッドレイアウト(グリッドデザイン、グリッドシステム)」と言います。配置される要素が、見えない線にすべて揃えられて配置するため、見やすくスッキリと整理された構成にすることが可能です。

【ジャンプ率】
デザイン上にある文字や画像のサイズなど大きさの差の比率のこと。
文字や画像の大きさの比率が大きいことを「ジャンプ率が高い」、比率が小さいことを「ジャンプ率が低い」といいます。
ジャンプ率が高いとダイナミックで若々しい感じ、ジャンプ率が低いと知的で大人っぽい印象になります。

【シンメトリー/アシンメトリー】
シンメトリー(symmetry):左右対称であること。
シンメトリーには、規則性があり全体的にバランスのとれたイメージを与えることができます。

アシンメトリー(asymmetry):左右非対称であること。
アシンメトリーには、躍動感を表現したり一定の箇所を目立たせたりする時に取り入れると効果的です。

【スミ】
印刷の色指定で黒(ブラック)のこと。
モノクロ印刷は「スミ1色」となります。ちなみにグレーは「スミアミ」と言うこともあります。

【CMYK/RGB】
色の表現方法のこと。

CMYK:シアン、マゼンタ、イエロー、キーカラー(黒)の4色で表現。
    印刷物や絵で使用され、4色を混ぜると黒になります。
 RGB:赤、緑、青の3色で表現。
    WEBサイトやスマホサイトで使用され、3色を混ぜると白になります。

【断ち切り(裁ち切り)】
断裁時に仕上がり位置から断裁のズレが発生した場合の予備領域のこと。
商業印刷では数百枚〜千枚の紙を機械で押さえてまとめて断裁します。そのため、断ち切りの領域までカラーや画像が入っていないと、断裁時に紙がずれた場合に紙色が出てしまいます。また断ち落とし(裁ち落とし)とも言います。

【塗り足し(ドブ)】
断ち切りの領域までカラーや画像を入れておくこと。
裁断時に紙色が見えてしまうのを防ぐため、わざとはみ出すように仕上がりよりも余分に大きく作成するのが一般的で、裁断時は塗り足しをカットします。
また塗り足しはドブとも言い、断ち切りと同じ意味で使用されます。

【テクスチャ】
デザイン上で質感を表現すること。
ざらざらとした木目や、ツヤツヤとした光沢素材の質感を表現することで、デザインのリアリティが増しクオリティの高いものを作ることができます。

【天地】
印刷物の上側と下側のこと。
印刷物には文字が読める方向が正しい向きとは限らなかったり、判別できるような絵柄がなかったりして、向きが分からないものがあったり、印刷物は天地の指示が非常に大切です。

【トンマナ】
トーン&マナーの略で、デザインの雰囲気に統一感を持たせること。
キーになる色や文字の表現等がバラバラだと落ち着きのないデザインになります。

【トラッキング】
選択した文字全体の文字間隔を一律に調整すること。
読みやすい文章になるだけでなく、視覚的に異なった印象を与えることもできます。

【トリムマーク(トンボ)】
印刷物をカットするために仕上がりサイズの角と辺の中央に配置する目印のこと。
ここでカットされる部分が塗り足しの部分となります。これを目印に裁断するので、印刷物を制作する上でとても重要で絶対必要になります。

【ノンブル】
本や冊子のページ端に記載されているページ番号のこと。
フランス語のnombreが由来で英語ではnumberにあたります。
小さく記載されているため、デザインする際はシンプルで読みやすいフォントがよく使用されます。

【ピクセル(画素)】
デジタル画像の最小単位のこと。
デジタル画像は限界まで拡大すると、いろんな色の小さな点の集合体で表現されています。単位面積当たりのピクセルの密度が高く、ピクセル数が多いほど精密で鮮明な表示ができます。

【フォント】
文字の書体のこと。

【ベタ】
CMYKいずれかの数値が100%の色や100%を掛け合わせた色のこと。
デザイン制作では、ある範囲を塗りつぶすことをベタを敷くと言うこともあります。さらには文字組みの際に、文字間を広げたり詰めたりせずに組んでいくこともベタ組みと言ったりします。

【ぬき文字】
濃い色で塗りつぶされた部分の上に配置して、抜いた文字のこと。
基本白のインキはありませんので、用紙の色をそのまま生かして白を表現します。白文字や白い図形を表現する際は色を抜くことで白をつくります。反対に色を抜かない文字はとつ文字と言います。

【マージン】
印刷物の本文や内容が収まる範囲の外にある余白部分のこと。

【ルビ】
漢字や英語のふりがな用の小さい文字のこと。

修正編

ここでは、お客様のイメージするものになるよう修正を重ねていきます。

【赤入れ(朱入れ)】
修正の指示を描くこと。
校正の確認時に書き込まれる訂正指示に赤ペンが使われることが多いことから赤入れと言われています。赤入れでは、文章の誤字や数字の誤り、記号などの間違いを指摘するだけでなく、改行や改頁の箇所、写真の大きさなどデザインの確認も行います。

【イキ】
生きという意味で、そのまま生かしておく、ということ。
「ママイキ」「モトイキ」と呼ぶこともあります。

【色校正】
印刷物が指定した色で刷り上がるかを確認するために、試し刷りをしてチェックすること。

【校正】
デザインしたものが、文字や内容に間違いがないかを確認・修正すること。
印刷物の場合は、印刷してしまったら修正できないので、非常に大事な作業です。

【誤植】
出来上がった印刷物に文字や記号に誤りがあること。
版下時代において文字版を並べていく植字と呼ばれる作業で、誤った文字を植字してしまったことから「誤植」となったのが由来です。

【校了】
最終チェックが終わった原稿・制作物のこと。
校了は、修正や差し替えがない場合のみに使用するので、ここからは印刷しても良い状態になります。

【初稿と初校】
初稿:クライアント様から支給される一番最初の原稿のこと。
初校:初稿をデザインに落とし込み最初に提出し、校正するもの。
同じ読み方で全く意味の違う言葉なので注意が必要です。

【再校】
校正後、修正したところを再度確認すること。

【ツメ】
校正用語で詰めること。
校正する際に、この部分を取って開いた分を詰めてほしい時に使います。

【テレコ】
校正用語で入れ替える・交互にするということ。
写真やテキストを入れ替える時などに使います。

【特色】
印刷において、CMYKでは再現できない色を表現するために調合されたインキのこと

【トリ・トル】
校正用語で削除のこと。
ツメと組み合わせてトルツメと使います。

【入稿】
印刷するための原稿を印刷会社に渡すこと。
こちらは校了後の作業になります。

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか?
今回はデザイナーがよく使う用語について解説させていただきました。
「なるほど、そういうことだったのか!」と少しでも知っていただければ幸いです。

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