宣隊レポート

デザインに関わること

「デザイン依頼書あり」デザインを発注する際のポイント


- 目次
・イメージ通りにデザインを制作してもらうには?
・実際のデザイン依頼書
・デザイン依頼書の解説
・Pinterestでの検索方法
・まとめ

制作会社やフリーランスのデザイナーにデザインを依頼したけど、「なかなか1度でイメージ通りのデザインが上がってこない」という経験はありませんでしょうか?

この記事では、以下のような方がデザインを発注する際に、「デザイナーにどんなことを伝えたらよいか」をご紹介します。

・はじめてデザインを依頼する
・デザインを依頼する際になにを伝えればいいかわからない
・思い通りのデザインイメージを伝えたい

イメージ通りにデザインを制作してもらうには?

結論、デザインを発注する際に、イメージ通りのデザインを制作してもらうためには、
デザイン依頼書」をデザイナーに提出することが必要です。

デザイン依頼書といっても、デザインの知識が特別に必要なわけではありません。

制作物を依頼者のイメージ通りにデザインするために、
必要な情報を言語化・視覚化してデザイナーに伝えるためのものになります。

実際のデザイン依頼書

実際の「デザイン依頼書」はこちらです。

【コピペ用デザイン依頼書】
1.制作物の概要:
2.制作物のサイズ・形:
3.納品形式:
4.ヒアリング
 ・メインカラー:
 ・ターゲット:
 ・制作物の使用用途:
5.制作物のイメージ
 シンプル←○-○-○→複雑
 単色←○-○-○→カラフル
 暗い←○-○-○→明るい
 日常←○-○-○→高級
 遊び心←○-○-○→厳粛
 未来的←○-○-○→伝統的
 女性的←○-○-○→男性的
6.その他・備考
 参考デザイン画像とご希望のレイアウト指示書を添付してください。

上記デザイン依頼書の内容は、デザインをする上で最低限必要な内容になりますので、できる限りすべて記入してください。
記入者はデザインを決定する方が望ましいです。発注側の関係者が複数いる場合、デザインの最終的な決定に権限を持つ方が記入する方が、デザインの方向性をブレなく作成することができます。

ここで一度、デザイン依頼書の必要性を、わかりやすく「カレーを作ること」に例えてみます。
カレーといってもポークカレー、キーマカレー、シーフードカレーなど種類がたくさんあります。辛さも甘口・中辛・辛口と選べますし、どんなスパイスを使うかなどで味が変わってきます。
「ポークカレー・辛口・チーズトッピング」のように具体的に作るものが分かれば、料理人は依頼通りにカレーを作り、注文者は想像通りのカレーを食べられるでしょう。

発注者側の頭の中にあるデザイン作るための情報を、イメージではなく言語情報としてデザイナーに具体的に伝えるために、「デザイン依頼書」が必要となるのです。

デザイン依頼書の解説

デザイン依頼書の中でも特に重要な、納品形式、メインカラー、ターゲット、制作物のイメージ、レイアウト・構成指示書、参考デザイン、について説明します。

納品形式

記入例)Aiデータ

納品のデータ形式は必ず制作前に伝えることが大切です。
後から伝えると、データ形式の変換には時間がかかります。たとえば、Aiデータで制作した後、パワポに変換する場合は全て選択してコピペで完成!というわけにはいきません。テキストや素材を1つずつパワポに打ち込み、パワポの仕様に合わせてサイズなどを調整する必要があります。そのため、納品のデータ形式は制作する前に伝えておくことが望ましいです。

メインカラー

記入例)ブランドカラーの赤(#b94047)

コーポレートカラーやブランドカラー、もしくは印象を与えたい色などです。具体的なカラーコードがある場合は、そちらを記入します。決まりがない場合は、デザイナーにお任せする旨を伝えます。

ターゲット

記入例)子供を塾に通わせようと考えている40代主婦。

「年代」「性別」「所属」などの属性をできるだけ明確に伝えましょう。40代であれば落ち着いたデザイン、写真やイラストをメインに使用した具体的にイメージが持てるデザインを好む傾向があります。デザイナーはターゲットの属性からフォントや配色などを決めます。

制作物のイメージ

依頼する上で重要な項目です。「単色か、カラフルか」「男性的か、女性的か」など、依頼者のイメージしているデザインを言語化して伝えることができます。

レイアウト・構成指示書

デザインを作成するためには、文章が必要になります。「どのような文章を大体どこに入れるか。」また、写真を入れたい場合は、「どの写真をどこに入れるか。」の情報が必要になります。
上記を踏まえて発注者はレイアウトおよび構成を作成します。できれば、デザイン時の誤字脱字を防ぐため、また作業率化のため、手書きではなくPowerPointやWordなどの編集可能なデータ形式で作成することが望ましいです。写真は別途、元データの画質や比率を保つため、一式zip形式でまとめてデータ送信サービスなどを利用して送ります。

参考デザイン

参考デザインの画像やURLを送る際に「色合いが気に入っている」「イラストのテイストはこのサイトの感じ」など参考としたデザインの「どこを参考としてほしいか」まで伝えられたら、的確にイメージを伝えることができます。

・印刷物の参考デザインを探す場合

ピンタレスト: Pinterestで探すことがおすすめです。
Pinterestは、好みのデザインを選択すると、類似したデザインを表示してくれるので、イメージのデザインが探しやすいことが特徴です。可能であれば、参考デザインの画像やURLを送る際に「色合いが気に入っている」「イラストのテイストはこの感じ」など参考としたデザインの「どこを参考としてほしいか」まで伝えられたら、的確にイメージを伝えることができます。

・WEBサイトの参考デザインを探す場合

SANKOU!がおすすめです。
あらゆるジャンルの参考になるデザインのWEBサイトを集めたギャラリーサイトです。
サイトのイメージや色などからカテゴリを絞って探すこともできます。

・バナーの参考デザインを探す場合

バナー広場がおすすめです。
国内の広告用のバナーやWEBサイト内のバナーを集めたギャラリーサイトです。
サイズ・カラー・業種・デザインのイメージなどからカテゴリを絞って探すことができます。

Pinterestでの検索方法

SANKOU!やバナー広場はカテゴリで選ぶことができますが、Pinterestの場合は検索キーワードを入れてデザインを検索するため、初めて使う人は「どのように検索キーワードを入れたら良いか」と検索に迷う方もいるかと思います。
そこでPinterestでの検索方法を紹介します。
目的のデザインを探すため、2、3キーワードを組み合わせます。
【制作物】【目的】【イメージ】で検索すると目的のデザインに近いものに絞られます。
試しに「エステ チラシ 上品」で検索してみます。

検索して、一番右のチラシがイメージに近いとします。
一番右のチラシを選択して、ブラウザのURLをコピーしてデザイナーに送ります。
同時に「このチラシの配色や薔薇のイラストをあしらっていることが気に入っている」など、このデザインの気に入っている部分を伝えると、デザインのイメージが伝わりやすいです。

またページをスクロールすると、「似ているピン」が表示されます。
こちらは選択したチラシに似ているデザインが表示されるエリアです。
このようにイメージしているデザインを探していくことができます。

まとめ

デザインを発注する際のポイントとして、発注者がデザイン依頼書を送ることや、デザイン依頼書の書き方をご紹介しました。

デザインは発注者の協力なしに「良いデザイン」を作成することはできません。良いデザインを作るためには、できる限りデザインに必要な情報をデザイナーに提供することが大切です。

ぜひ次回のデザインを依頼する機会より、デザイン依頼書をご活用いただき、イメージ通りのデザインを作成できるようになっていただけましたら幸いです。

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